タロットカードの起源については、いろいろな説がありますが、どれも明確な裏づけはなく、未だに多くの謎につつまれています。現存する最古のものは、14世紀に作られたものの一部が、パリの国立図書館に納められています。
そして、15世紀のイタリアで、カード・ゲームとしてタロットが使われていたということは確かです。 18世紀に入ると、多くの研究家が現れ、タロットの絵柄の中には、単なるゲームではない、神秘主義的体系を結びつけた秘伝として体系付けられていきました。 多くの研究家の中で一致した意見は、ユダヤの秘儀である「カバラ」が、タロットの謎を解く鍵ではないかということのようです。 そして、20世紀初頭まで研究は盛んに行なわれていきました。
タロットのカードはアルカナといいます。アルカナとは、神秘の教えという意味です。 タロットの絵柄は単なるイラストではなく、さまざまなシンボルを組み合わせて描かれています。 これらのシンボルとしての事物は、人間の夢の中のシンボルと同じく、人類に等しい集合的無意識のバックボーンのもとに成り立っていると思われます。
例えば、山、海、太陽、月、女性、男性、動物、植物など、これらは時代や流行、民族の違いによって、解釈は変わらない象徴の代表的なものです。天気も、晴れ、雨、嵐、くもりといった状況も、図柄のシンボルとして使われています。
風景について、遠景か近景かで意味があります。風景にいる人物がいる地点は、その人物の現在の状況を示します。道具については、なにか特定の行動、手段を強調します。人物の表情、向いている方向、性別、年齢、服装、などにも意味があります。
カードの全体の色の比率も重要です。絵柄の構図については、人物がいる構図、いない構図など、構図についても意味があります。
※文章中の()は例のひとつです。
空の様子、色は、状況を象徴します。天候は、感情を表すとされます。例えば、「塔」の稲妻は、突然の歓迎されない変化、「ペンタクルの5」の暗い夜の冷たい雪は、精神的に打ちのめされ、救いを求める様子、「ソードのナイト」のめまぐるしく過ぎ行く雲の模様は、気持ちがはやる状況を表します。
色については、グレーは、状況が動きづらい様子を示し(吊るし人)、しかしながら、「ワンドの2」は良い意味で、安定して動じないという様子を示しており、色にはポジティブな面とネガティブな面もあります。 黄色は一般的に明るく歓迎されることを示します(ワンドの4)。黒は良くない象徴でもあります。(悪魔)
風景と人物が形成する構図は、具体的な状況を示します。人物の立っている地点が現在の状況を示し、近景が過去の出来事、遠景は、未来の出来事、もしくは、目標や理想を示します。 人物の向きについては、左は自己と向き合う内面を見る姿を意味します。
(隠者)右は外部に働きかける外交的姿勢を意味します。(ワンドの6)体と顔の向きがねじれているのは、本音と建前が矛盾していることを示します。 (ソードの7)背中を見せているのは、将来を展望しようとしていることを示します。
(ワンドの3)性別については、一般的に成人男子で表します。女性は、原理としての女性性を示します。 (女帝)若者は、成長過程、またはその可能性を示します。(ペンタクルの王子)